設立の経緯を教えてください。

沖村 智さん

今、フードロスなど言っていますが、その前から「人間は食べることが人の幸せ」と思っていたので「食に携わりたい」とこの会社を起こしたというのがきっかけです。そこから事業転換して、食と違うことをやっているのですが、最初のスタートはそこからです。

食に当初からご関心があったと。

沖村 智さん

私の人生のキャリアに関係します。私は大学卒業後、10年間保険会社に勤めていました。その後3年間は、生まれ故郷の長野県の筑北村というところで、村おこしのための行政職に3年就き、その後地域の事業ということで、議員に立候補して議員をやりました。特に過疎の地域って農業ぐらいしか産業がないんです。ただこの農業という産業が、だいたい食に携わるものなんですが、経済構造がいびつなので、地域の産業が育たない。僕自身も農業をやりましたけど、規格品以外は農家も捨てないといけない。そんなことで常々、「食」について考えていたということです。

では議員時代から、課題や問題意識があったわけですね。

沖村 智さん

捨てられているものも含めて付加価値をつける。ただ、100円のものを1000円で売る努力ではなくて、価値がないもの売る努力ですね。それには、技術が必要です。調べたところ、その技術も機械設備もないんですよね。そういう事業というのはこの先絶対必要になってきて、それが地球のいろんな課題解決につながるのではないかとずっと考えていました。
そんなとき福島県飯館村出身の菊池製作所の社長と出会い、「福島のために君が頑張ろうとすることを支援するよ」と、ヒト、モノ、カネというものを整備するきっかけを与えていただいたということです。

なかなかすぐ事業化ということにはいかなかったと思うのですけれども。現在、事業としてはいかがでしょうか。

沖村 智さん

まだですね。売り上げは。当社の売り上げは3つありまして。1つ目はセルロースを実際に自分たちで作って売るという製造業です。2つ目は、いろんな捨てられているものに価値を見いだすという、受託研究の事業です。3つ目は、我々のノウハウを用いたコンサルティング事業です。我々は機械設備もゼロから開発しているので、ここにある機械も全部我々がゼロベースで開発しています。
この中でセルロースに関する研究委託は事業化しています。また、セルロースの製造と機械のコンサルティングの部分は今年中には収益化の目途が立っています。