福島県におけるロボット産業の可能性と、今後の展望についてお聞かせください。

天野 眞也さん

福島県は非常にチャンスがあると思っています。例えば、福島県のGDPは大体シンガポールと同じぐらいのGDPがあります。日本のGDPは世界3位ということは、皆さんご存知だと思いますが、各県においても相当なポテンシャルがある訳です。そういう意味でいくと、福島県が「更にロボット産業に力を入れましょう」としたとしたら、圧倒的に僕は世界を取れると思っています。もちろん、既得権も色々ありますので一気にはできないかもしれないですけれど。それでも今後、福島県、地域、東北地方で本当にロボット産業・生産設備産業に注力してもらって、エンジニアも入れて仮に2,000~3,000人、売上で500億円から1,000億円ぐらいのインテグレータのいる地域になったら、世界中の工場のお仕事を取れると思っています。

最後に。天野社長から見て、震災から11年目の現在の復興・環境再生の状況をどうご覧になっているかお聞かせください。

天野 眞也さん

リブランディングに関して申し上げると、まだ実際問題として、グローバルエンジニアの中には「福島」と聞いて、少しためらう方がいます。あの原発事故のあった福島県ですかと。やはり、なかなか人の記憶から消すということは難しいことだと思います。だから、復興ということに関しては非常に進んできているとは思うんですけれども、風評とかイメージというのは10年ぐらいだと消えることではないのが実態だと思っています。

一方で、それをどう変えていくのかということを皆さん考えている訳ですよね。福島復興、東北復興。日本中が気持ちを持っていますということで、こういった新たなテクノロジーの御旗を掲げることによって、僕は一気にポジティブにひっくり返せばいいと思っています。そこで、ロボットテクノロジー。皆が応援しやすいし、ここが僕は一気に起爆剤になるんじゃないかなと、そんな期待を持っています。