福島では今、環境再生や復興の実現、そして未来への継承に向けて、多くの人々や団体が活動されています。
福島のためにひたむきに取り組む方々を、もっと多くの人に知っていただきたい、そして応援していただきたい。
そんな思いから環境省と福島県は未来志向の優れた取り組みに対して、福島 環境リブランディングキャンペーン「FUKUSHIMA NEXT」表彰制度を設けました。
今回は「FUKUSHIMA NEXT」環境大臣賞受賞、東京農業大学 地域環境科学部4年生 渡邉優翔(わたなべゆうと)さんの取り組みをご紹介します。

渡邉さんは須賀川市にあるツツジ観光農園「大桑原つつじ園」の26代目。
東日本大震災は渡邉さんが小学生の頃、やはり農園にも大きなダメージを与えました。
そこから多くの困難を直に経験、また花の持つ力を再認識し、「見せるだけじゃなく、ツツジという資源を通して何かを人や社会に提供していきたい」という思いを持つように。
そして家業を継ぐことを決意、農業高校、農業大学へと進学しました。
富岡町のツツジに関わり始めたのは3年前のこと。
もともと桜と並ぶ富岡町のシンボルであったツツジでしたが、震災後の帰還困難区域の指定などを経て、その美しく咲き誇る光景を見ることは叶いませんでした。
その実情を知った渡邉さんが「NPO法人元気になろう福島」等と共に富岡町に企画書を提案するところから「富岡町ツツジ再生プロジェクト」は始まりました。
それは地域の方々も参加して富岡町で剪定したツツジを挿し木によって栽培し(現在500本以上)、植樹しようというプロジェクト。
「もう一度町中にツツジの花を咲かせたい」という地元の熱意とともに、活動は3年目を迎えました。
その他にもツツジを活用した地域交流や街づくりの促進にも取り組み、渡邉さんの「ツツジという資源を通して人や社会に」の思いは実現に向けて進行中です。

震災から11年余りが経過しました。
環境省は引き続き環境再生事業を安全かつ着実に進めながら、福島の未来を担う人々「FUKUSHIMA NEXT」の活動を応援していきます。