地域や企業の活性化を目指す、ドリームサポート福島。
震災後よりその一員として他のメンバーと共に福島の復興支援活動を続けてきた菅野さんと、当時、福島県立福島高等学校のスーパーサイエンスハイスクール担当として生徒たちと県内の放射線の状況を調査していた原先生が出会ったのが2016年。
そこから県内外、さらに海外の高校生も参加する「国際高校生放射線防護ワークショップ」が始まりました。
その頃すでに震災から長い時間が経ち、メディアからの情報も断片的。
その結果、実感や記憶の風化と事実に反する風評が福島の「これから」の障壁となっていました。
そんな中、高校生が福島や放射線の現状を自ら学び、見て、聞いて、体験し、議論し、その成果を国内外に発信するということを目的に、その活動は展開されています。具体的には、風評被害に耐えながらよりよい商品生産に取り組もうとする農業と漁業、原子炉の廃炉の進行状況の確認、中間貯蔵施設と除去土壌の再生利用、高齢化が進む避難指示が解除された区域の復興をどう進めるかなど、取り組む課題は多岐に及びます。
「当初は福島の現状を知ってもらいたい、一次情報に基づいた発信をして欲しいと考えていました」と原先生。
「しかし参加する生徒が見つめているのは福島の『その先』でした」「情報をきちんと調べて、咀嚼し、自分なりにアウトプットする。それが大事だと思います」と菅野さん。
その思いに応えるように、高校生たちの福島に対する問題意識は強く、そして前向きなものでした。福島では次代を担う人々が動き始めています。

震災から11年余りが経過しました。
環境省は引き続き環境再生事業を安全かつ着実に進めながら、福島の未来を担う人々「FUKUSHIMA NEXT」の活動を応援していきます。