グッドデザインを3回も受賞されるほど優れたプロダクトを生み出し続けているわけですが、製品づくりのこだわりは何でしようか?
高橋 正行さん
やっぱり、いい製品を出したいということですよね。お箸でいい製品を出したいとなったときには、たかが割り箸という固定概念ってあるわけです。そこを、スコーンときれいに打ち破るような、そういうストーリーがくっ付いていると、打ち破りやすいんです。だから、「希望のかけ箸」というのは、被災3県のスギ間伐材を使って、3県各市に義援金が行きますよという、そういうストーリー。あと、パッケージデザインももちろんそうですよね。県の鳥を描いて、「復興に向けて力強く羽ばたく被災者たち」みたいなストーリーですよね。そんなストーリーを大事に思っています。
グッドデザイン賞を受賞した「希望のかけ箸」
新製品を開発しようという発想は何ですか?
高橋 正行さん
根底に「割り箸じゃ食えない」というのがあります。奈良の吉野の高級割り箸の生産者の中でも、たぶん一番高いところでも出荷価格で一膳20円ぐらいだと思います。うちはいま最低60円、3倍です。中国産の割り箸から比べると、今でも2円以下の割り箸はあると思うので約30倍ですね。「希望のかけ箸」を開発したのも、贈答品みたいな感じで使っていただけるんだったら、お箸の単価というのは上げることができるんじゃないのかなと思ったわけです。
その考えが根底にあります。だから、持続可能な林業復興といううちの目標に向けて新たな製品の開発の必要性というのは、常に迫られているということです。
話は変わりますが、廃校を改修して利活用していますが。
高橋 正行さん
ここはいわき市田人町の南大平地区といい35世帯が今も暮らしています。その方々が5年前のオープニングイベントのとき来てくださいました。その時、当時の校歌を流したんですよね。そうしたら、3、4人の方が泣いていらっしゃいました。懐かしくて。
廃校の利活用って難しいですよね。そんな、ドカンって中を変えて、観光施設的な感じで変えてっちゃうと面影がなくなっちゃうでしょ。だいたい失敗しちゃいます。だから何が正解なのか、なかなか言えないですけど。うちはでも総体的に見たら、お客さんが継続的に来てるほうだと思いますよ。
あと学校の見学対応とかもしています。うちの製造工程を説明したり、林業の現状や間伐材の話なども訪れた高校生たちにしています。