「ポリエステル媒地」を活用した栽培を始め、チャレンジングな取り組みをされている中、農業DX(デジタルトランスフォーメーション)やIoT(Internet of Things)などデジタルの取り組みも盛んな印象を受けます。事業でのこだわりをお聞かせください。
谷口 豪樹さん
安定した栽培ができるのはスマート農業だからだと思っています。花卉だけではなく全ての作物を育てるのに導入しています。主に水、温度、湿度とかの管理ですね。
あと、作物ファーストっていうか。作物のことを考えたときに、手作業だと半日はかかる。6時間ぐらい。作物的には1回の水よりも少量多灌水って言うのですが同じ量を8回ぐらいに分けた方が喜ぶ作物もあるんです。それは、スマート化させないとできません。省力化というよりは、いい作物を作りたいから導入するというのが私の考えです。「いま病気になっている」など、人間がいまの様子をより時間をかけて見るためにIoTを使っています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とかになってくると、うちだといま日程表とか作業に関しての人数とか全部コンサルタントを入れて作っています。今うちに来たときに「何やっているのだろう」というのではなくて、全部可視化できる。明日アルバイトさんが来ても、「ああ、なるほど」という感じをいま作っています。先ほど「作物ファースト」って言ったんですけど、それを作っている人間というのが一番大事になってくるので。働く環境を良くして、農業のイメージを変えたいというか。そのために今、いろいろなものを導入しています。
いちばん心がけていることやミッションとして掲げていることは何でしょうか?
谷口 豪樹さん
良い作物を作るには、やっぱり「人」だということ。当初は僕が突っ走ればいけるんだろう、とか思っていたんです。でも、そうじゃなくてメンバー全員が作物のことを思って作業をやることが、より良いものを作れるんだなって最近は実感しています。そういうストーリー性を見せることが大切だな、と。
若い世代につなげていくということに対して、谷口さんご自身の想いはありますか?
谷口 豪樹さん
若い世代というよりも、僕の上の世代でもいいんですけど、福島で農業、特にこの12市町村で関わってくれる人が一人でも増えるといいなとは思っています。僕は比較的奥さんの実家が農家をやっていたっていうのもあったので、まだ入りやすかった。ただ、本当にゼロから始めるのは、結構大変なんです。今は教える側で講師みたいなこともしているので、積極的に聞いてほしいと思っています。
現状の川俣町なり、この山木屋地区の農家さんが抱えている課題をどう感じていますか。
谷口 豪樹さん
10年後って考えたときに、今と同じ状況なのかというのが一つの問題かなと思いますね。
生産者に高齢者の方が多いというのもあるし、アンスリウムを買い替えるとなったときに、何百万円ってお金がかかってしまう。今80歳の方がどこまでやるのかと。
基本的にブランド化とは、産地がものすごく大事なんです。ある程度本数があって、日本一の生産量になってブランド化した。僕一人がアンスリウムをやっても、今みたいには絶対ならなかったので。